
ポーランド共和国(Rzeczpospolita Polska)は、中央ヨーロッパに位置する国で、北はバルト海、東はリトアニア、ベラルーシ、ウクライナ、南はスロバキア、チェコ、西はドイツと接しています。
ポーランド共和国の基本情報
- 首都: ポーランドの首都はワルシャワ(Warszawa)で、同国最大の都市でもあります。ワルシャワはヴィスワ川のほとりに位置し、多くの歴史的建物や近代的な施設があります。
- 面積:ポーランドの総面積は約312,696平方キロメートルです。
- 人口:2021年の時点で、ポーランドの人口はおよそ3,800万人です。
- 言語:ポーランドの公用語はポーランド語(język polski)です。
- 通貨:ポーランドはポーランド・ズウォティ(Polish złoty、PLN)を通貨として使用しています。
- 歴史:ポーランドの歴史は古代スラヴ民族にさかのぼり、中世にはポーランド王国として繁栄しました。その後、リトアニアと連合を組み、ポーランド・リトアニア連合として強力な国家を築きました。20世紀には二度の世界大戦を経て、共産主義政権下に置かれました。1989年の民主化後、現在の共和制が確立されました。
- 自然:ポーランドは多様な自然景観に恵まれており、タトラ山脈、カルパティア山脈、マズーリ湖群などがあります。また、多くの国立公園や自然保護区があり、豊かな生態系が保たれています。
- 文化:ポーランドの文化は豊かで多様であり、音楽、文学、舞台芸術が重要な要素です。ショパンやシエンキェヴィチなどの著名な人物がポーランド出身です。伝統的な料理には、ピエロギ(Pierogi)、ビゴス(Bigos)、ザウアークラウト(Kapusta)などがあります。また、クリスマスやイースターなどの祝祭日も大切にされています。
ポーランド共和国の世界遺産
世界遺産数:文化遺産:14 自然遺産:1 複合遺産:0

クラクフ歴史地区
■文化遺産 / 1978年
クラクフ歴史地区は、ポーランドの古都クラクフにある歴史的な地区で、1978年にユネスコの世界遺産に登録されました。クラクフは中世からの長い歴史を持ち、多くの歴史的建造物や文化財が残されています。特に、ヴァヴェル城、聖マリア教会、市場広場などが有名です。

ヴィエリチカ・ボフニア王立岩塩坑
■文化遺産 / 1978年
ボフニア王立岩塩坑は、1248年に採掘が開始された歴史ある岩塩坑です。ヴィエリチカ岩塩坑とともに、ポーランドの重要な産業の一つとして発展しました。2013年にユネスコの世界遺産に登録されました。

アウシュヴィッツ・ビルケナウ ナチスドイツの強制絶滅収容所(1940-1945)
■文化遺産 / 1979年
アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所は、ナチス・ドイツが第二次世界大戦中に設立した強制収容所で、1940年から1945年にかけて運営されました。この収容所は、ホロコーストの象徴として知られ、ユダヤ人をはじめとする多くの人々がここで命を落としました。1979年にユネスコの世界遺産に登録されました。

ビャウォヴィエジャの森
■自然遺産 / 1979年
ビャウォヴィエジャの森は、ヨーロッパに残された最後の原生林の一つであり、1979年にユネスコの世界遺産に登録されました。1992年と2014年に拡張され、現在はポーランドとベラルーシの両国にまたがる自然遺産として保護されています。この森は、ヨーロッパバイソンの重要な生息地としても知られています。

ワルシャワ歴史地区
■文化遺産 / 1980年
ワルシャワ歴史地区は、13世紀に建設され、第二次世界大戦で壊滅的な被害を受けた後、ポーランド国民の努力によって忠実に復元されました。1980年にユネスコの世界遺産に登録され、その復元の過程が評価されています。

ザモシチ旧市街
■文化遺産 / 1992年
ザモシチ旧市街は、16世紀にポーランド王国の貴族であり、宰相であったヤン・ザモイスキによって設立された交易都市です。イタリア人建築家ベルナルド・モランドによって設計され、ルネサンス様式の都市として知られています。1992年にユネスコの世界遺産に登録されました。

中世都市トルニ
■文化遺産 / 1997年
トルニは、13世紀にドイツ騎士団によって設立され、ハンザ同盟の重要な交易都市として栄えました。14世紀から15世紀にかけての中世の街並みが現在まで良好に保存されており、1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。

マルボルクのドイツ騎士団の城
■文化遺産 / 1997年
マルボルク城は、13世紀にドイツ騎士団によって建造され、14世紀には騎士団国家の本部となりました。赤レンガ造りのゴシック様式の城であり、1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。第二次世界大戦で破壊されたものの、戦後に修復され、現在もその壮麗な姿を保っています。

カルヴァリア・ゼブジトフスカ:マニエリスム様式の建築と公園の景観複合体と巡礼公園
■文化遺産 / 1999年
カルヴァリア・ゼブジドフスカは、17世紀初頭に設立された巡礼地で、マニエリスム様式の建築と公園の景観が融合した文化的景観が特徴です。1999年にユネスコの世界遺産に登録されました。ベルギーの建築家ポール・ボダールによって設計され、イエス・キリストの受難と聖母マリアの生涯を象徴する一連の礼拝所が設けられています。

ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群
■文化遺産 / 2001年
ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群は、17世紀半ばに建設されたヨーロッパ最大の木造宗教建築物です。三十年戦争後のウェストファリア条約に基づき、プロテスタントの信仰の自由を象徴するために建てられました。2001年にユネスコの世界遺産に登録されました。

マーウォポルスカ南部の木造教会群
■文化遺産 / 2003年
マーウォポルスカ南部の木造教会群は、15世紀から16世紀にかけて建てられたローマカトリックの教会で、東ヨーロッパと北ヨーロッパで一般的だった水平な丸太工法が用いられています。これらの教会は、中世の貴族の社会的および政治的名声の象徴として支持され、2003年にユネスコの世界遺産に登録されました。

ムスカウアー公園/ムジャコフスキ公園
■文化遺産 / 2004年
ムスカウアー公園/ムジャコフスキ公園は、19世紀初頭にヘルマン・フォン・ピュックラー=ムスカウ侯爵によって造園されたイギリス式庭園です。公園は560ヘクタールの広さを誇り、地元の植物や地形を活用して風景画のように設計されています。2004年にユネスコの世界遺産に登録されました。

ヴロツワフの百周年記念ホール
■文化遺産 / 2006年
百周年記念ホールは、1911年から1913年にかけてドイツ人建築家マックス・ベルクによって設計・建設された多目的ホールです。このホールは、当時の最先端技術を駆使して建設され、鉄筋コンクリートを使用した大規模な建築物として知られています。

ポーランド、ウクライナのカルパチア地方の木造教会
■文化遺産 / 2013年
この木造教会群は、16世紀から19世紀にかけて東方正教会と東方典礼カトリック教会の信徒によって建てられたもので、水平丸太組みの技法を用いて建造されています。2013年にユネスコの世界遺産に登録されました。

タルノフスキェ・グリの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水管理システム
■文化遺産 / 2017年
この鉱山と地下水管理システムは、16世紀から19世紀にかけて鉛、銀、亜鉛の採掘が行われた場所であり、2017年にユネスコの世界遺産に登録されました。鉱山は地下水の流入が多く、効率的な排水システムが必要とされました。そのため、蒸気機関や排水溝のネットワークが発展し、鉱山の運営を支えました。