
クロアチアは中欧と東南欧の間に位置する国で、アドリア海に面しています。北はスロベニアとハンガリー、東はセルビア、南東はボスニア・ヘルツェゴビナ、西はモンテネグロと国境を接しています。
クロアチア共和国の基本情報
- 首都: クロアチアの首都はザグレブ(Zagreb)です。
- 面積:クロアチアの面積は約56,594平方キロメートルです。
- 人口:2021年の推計によると、クロアチアの人口は約400万人です。
- 言語:クロアチアの公用語はクロアチア語です。
- 通貨:クロアチアの通貨はクーナ(Kuna)で、通貨記号はHRKです。2023年1月にユーロ(EUR)に切り替える計画があります。
- 歴史:クロアチアの歴史は非常に古く、古代ローマ帝国時代には重要な地域でした。中世にはハンガリー王国やオーストリア帝国の支配を受けました。第一次世界大戦後、ユーゴスラビア王国の一部となり、第二次世界大戦後はユーゴスラビア連邦共和国の一部として統一されました。1991年に独立を果たし、現在のクロアチア共和国が成立しました。
- 自然:クロアチアは美しい自然景観が豊富で、アドリア海沿岸には多数の島々や美しいビーチが点在しています。プリトヴィツェ湖群国立公園やクルカ国立公園などの自然保護区もあり、観光地として人気があります。
- 文化:クロアチアの文化は多様で、歴史的な影響を受けています。伝統的な音楽やダンス、手工芸品が豊かで、特にダルマチア地方の伝統音楽「クラッパ」はユネスコの無形文化遺産に登録されています。また、クロアチア料理も多彩で、海産物を使った料理やパプリカを使った料理が人気です。クロアチアには多くの中世の都市や城塞、教会が点在し、特にドゥブロヴニクやスプリトは世界遺産に登録されています。
クロアチア共和国の世界遺産
世界遺産数:文化遺産:8 自然遺産:2 複合遺産:0

ドゥブロヴニク旧市街
■文化遺産 / 1979年
ドゥブロヴニク旧市街は、14世紀以降にラグーサ共和国の首都として栄えた要塞都市です。1979年にユネスコの世界遺産に登録され、「アドリア海の真珠」と称される美しい町並みが特徴です。ユーゴスラヴィア内戦で被害を受けましたが、復旧されて現在もその美しい景観が広がっています。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿
■文化遺産 / 1979年
スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿は、1979年にユネスコの世界遺産に登録されました。ディオクレティアヌス宮殿は、ローマ皇帝ディオクレティアヌスが退位後の余生を過ごすために建てた宮殿であり、3世紀末から4世紀初頭にかけて建造されました。宮殿はその後、スプリット市の中心部として発展し、様々な時代の建築様式が混在する独特の町並みを形成しています。

プリトヴィッチェ湖群国立公園
■自然遺産 / 1979年
プリトヴィッチェ湖群国立公園は、1979年にユネスコの世界遺産に登録された自然遺産です。公園は192平方キロメートルの広大な面積を誇り、16の湖と92の滝で構成されています2。この地域はカルスト地形であり、炭酸カルシウムの堆積によって形成された美しい湖や滝が特徴です。

ポレッチ歴史地区のエウフラシウス聖堂建築群
■文化遺産 / 1997年
エウフラシウス聖堂建築群は、6世紀に建造された初期キリスト教建築とビザンツ美術の傑作です。聖堂、洗礼堂、司教の邸宅、礼拝堂などから構成されており、1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。

古都トロギール
■文化遺産 / 1997年
トロギールは紀元前3世紀にギリシャ人によって築かれた植民都市で、2300年以上の歴史を誇ります。中世には自治都市として発展し、ヴェネツィアやハプスブルク家の支配を受けながらも、多様な建築様式が融合した美しい街並みを形成しました。1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。

シベニクの聖ヤコブ大聖堂
■文化遺産 / 2000年
聖ヤコブ大聖堂(クロアチア語: Katedrala sv. Jakova)は、シベニクにあるカトリックの大聖堂で、シベニク司教座が置かれています。1402年に建設が始まり、1555年に完成しました。ゴシック様式とルネサンス様式が融合した建築で、レンガや木材を一切使用せずに石だけで建てられた世界最大の石造教会です。

カルパチア山脈とヨーロッパ地域の古代及び原生ブナ林
■自然遺産 / 2007年
カルパチア山脈とヨーロッパ地域の古代及び原生ブナ林は、クロアチアを含む18か国にまたがる広大な地域に位置しています。クロアチア国内では、北部ヴェレビト国立公園とパクレニツァ国立公園が含まれます。

スタリー・グラード平原
■文化遺産 / 2008年
スタリー・グラード平原は、紀元前4世紀にギリシャ人によって開拓された農地で、現在もそのままの形で利用されています。2008年にユネスコの世界遺産に登録されました。

中世墓碑ステチュツィの墓所群
■文化遺産 / 2016年
ステチュツィは12世紀から16世紀にかけて築かれた中世の墓碑で、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア西部、モンテネグロ西部、クロアチア中央部にある28もの墓所が世界遺産に登録されています。これらの墓碑は石灰岩で建造され、伝統的な装飾や碑文が刻まれています。

16-17世紀ヴェネツィア共和国の軍事防衛施設群:スタート・ダ・テッラー西部スタート・ダ・マーレ
■文化遺産 / 2017年
この防衛施設群は、ヴェネツィア共和国が16世紀から17世紀にかけて築いたもので、陸上の防衛施設「スタート・ダ・テッラ」と海上の防衛施設「西部スタート・ダ・マーレ」に分かれています。これらの施設は、ヴェネツィア共和国の領土と交易路を守るために建設されました。