
南アフリカ共和国(Republic of South Africa)は、アフリカ大陸の南端に位置する国です。南大西洋とインド洋に面し、北はナミビア、ボツワナ、ジンバブエ、北東はモザンビークとエスワティニに接しています。レソトは国の中に完全に囲まれています。
南アフリカ共和国の基本情報
- 首都: 南アフリカには三つの首都があります: プレトリア(Pretoria): 行政首都 ケープタウン(Cape Town): 立法首都 ブルームフォンテーン(Bloemfontein): 司法首都
- 面積:南アフリカの総面積は約1,221,037平方キロメートルで、日本の約3.2倍の広さです。
- 人口:人口は約6000万人(2021年推定)で、様々な民族と文化が混在しています。
- 言語:南アフリカは11の公用語を持つ多言語国家です。主要な公用語には、英語、アフリカーンス語、ズールー語、コサ語、ソト語などがあります。
- 通貨:南アフリカ・ランド (ZAR) が使用されています。
- 歴史:南アフリカの歴史は古く、サン人やコイ人などの先住民族が住んでいました。17世紀にはオランダ東インド会社がケープ植民地を設立し、その後イギリスの支配下に入りました。20世紀にはアパルトヘイト(人種隔離政策)が導入され、1994年にネルソン・マンデラのリーダーシップのもとで民主化が進みました。
- 自然:南アフリカは豊かな自然環境を持ち、多様な景観が広がります。特に有名なのはクルーガー国立公園で、多くの野生動物が生息しています。また、テーブルマウンテンやドラケンスバーグ山脈などの美しい自然景観も観光客に人気です。
- 文化:南アフリカの文化は多様で、多くの民族が共存しています。伝統的な音楽、ダンス、アートが盛んであり、特にズールー族やコサ族の文化が大きな影響を持っています。また、南アフリカは「レインボーネイション」とも呼ばれ、多文化主義が尊重されています。宗教も多様で、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、伝統的なアフリカ宗教が信仰されています。
南アフリカ共和国の世界遺産
世界遺産数:文化遺産:5 自然遺産:3 複合遺産:1

イシマンガリソ湿地公園
■自然遺産 / 1999年
イシマンガリソ湿地公園は、1999年にユネスコの世界遺産に登録された自然保護区です。公園は13の保護区から成り立ち、総面積は約3280 km²です。ここには、セント・ルシア湖、ムクゼ湿原、砂丘、サンゴ礁など、多様な自然環境が広がっています。

南アフリカ人類化石遺跡群
■文化遺産 / 1999年
南アフリカの人類化石遺跡群は、1999年にユネスコの世界遺産に登録されました。この遺跡群は、「人類のゆりかご」とも呼ばれ、アウストラロピテクス・アフリカヌスやホモ・ハビリスなど、初期人類の化石が多く発見されています。これらの化石は、人類の進化の歴史を解明する上で非常に重要な資料となっています。

ロベン島
■文化遺産 / 1999年
ロベン島は、1999年にユネスコの世界遺産に登録されました。この島は、17世紀から20世紀にかけて刑務所や隔離病棟、軍事基地として使用されてきました。特に20世紀後半には、アパルトヘイト政策に反対する政治犯が収容されていたことで知られています。ネルソン・マンデラもここで27年間収監されていました。

マロティ‐ドラケンスバーグ公園
■複合遺産 / 2000年
ドラケンスバーグ公園は、2000年にユネスコの世界遺産に登録され、2013年に拡張されました。公園は、広大な自然景観と豊かな生物多様性、そしてサン族が残した数千年にわたる岩絵などの文化遺産が評価されています。

マプングブエの文化的景観
■文化遺産 / 2003年
マプングブエの文化的景観は、2003年にユネスコの世界遺産に登録されました。10世紀から14世紀にかけて繁栄したマプングブエ王国の首都であり、インド洋を中心とした交易で栄えた都市の遺跡が残されています。

ケープ植物区保護地域群
■自然遺産 / 2004年
ケープ植物区保護地域は、2004年に世界遺産に登録され、2015年に範囲が拡大されました。アフリカ大陸の面積の0.5%未満でありながら、アフリカ大陸の植物の約20%が生息しており、そのうち約69%が固有種です3。この地域は「フィンボス」と呼ばれる灌木植生地域で、特にプロテアという植物が特徴的です。

フレーデフォート・ドーム
■自然遺産 / 2005年
フレーデフォート・ドームは、約20億2300万年前に形成された世界最大の隕石衝突跡です。直径約190kmのクレーターで、2005年にユネスコの世界遺産に登録されました。この衝突は、地球の歴史上の重要な出来事の一つとされています。

リフタスフェルトの文化的及び植生景観
■文化遺産 / 2007年
リフタスフェルトの文化的及び植生景観は、2007年にユネスコの世界遺産に登録されました。この地域は、半遊牧民であるナマ族が2000年以上にわたって暮らしてきた場所であり、彼らの伝統的な生活様式や文化が今も継承されています。また、リフタスフェルトは多様な多肉植物が生息する地域としても知られています。

コマニの文化的景観
■文化遺産 / 2017年
コマニの文化的景観は、2017年にユネスコの世界遺産に登録されました。この地域は、石器時代から現在まで人々が居住してきた証拠があり、特にサン族の文化と深く関連しています。サン族は、狩猟採集を中心とした生活を送り、砂漠環境に適応してきた知識と技術を持っています。