チュニジア共和国（République tunisienne）は北アフリカに位置する国で、地中海に面しています。東はリビア、西はアルジェリアと接しています。
チュニジア共和国の基本情報
- 首都： チュニス（Tunis）はチュニジアの首都で、同国最大の都市です。地中海沿岸に位置し、重要な商業・文化の中心地です。
- 面積：チュニジアの総面積は約163,610平方キロメートルで、これはギリシャの約1.2倍の広さです。
- 人口：人口は約1180万人（2021年推定）です。チュニスやスファックス、スースなどの都市に多くの人が住んでいます。
- 言語：公用語はアラビア語で、フランス語も広く使用されています。教育やビジネスの場ではフランス語が頻繁に使われます。
- 通貨：チュニジア・ディナール (TND) が使用されています。
- 歴史：チュニジアの歴史は非常に古く、フェニキア人による植民地、カルタゴから始まります。後にローマ帝国の一部となり、その後アラブ人の征服を経て、オスマン帝国の支配下に置かれました。1881年にフランスの保護国となり、1956年に独立を果たしました。2011年には、アラブの春の一環として政権交代が起こり、民主化が進みました。
- 自然：チュニジアは多様な自然環境を持ち、地中海沿岸の美しいビーチ、内陸部の山岳地帯、そして広大な砂漠地帯があります。有名な観光地としては、サハラ砂漠、シディ・ブ・サイド、カルタゴ遺跡などがあります。
- 文化：チュニジアの文化は、アラブ、ベルベル、フランスの影響を受け、多様で豊かな伝統があります。伝統的な音楽、ダンス、工芸品が盛んであり、特に陶器や織物が有名です。イスラム教が主要な宗教であり、モスクは街の重要なランドマークとなっています。また、チュニジア料理も独自の特色を持ち、クスクスやブリックなどが人気です。
チュニジア共和国の世界遺産
世界遺産数：文化遺産：７ 自然遺産：１ 複合遺産：０
チュニス旧市街
■文化遺産 / 1979年
チュニス旧市街は、ユネスコの世界遺産に登録されている歴史的な街です。この地域は、アラブ、ベルベル、ヨーロッパの文化が融合した独特の雰囲気を持っています。旧市街は、中世の防御壁に囲まれており、多くの歴史的建造物が残っています。
カルタゴ遺跡
■文化遺産 / 1979年
カルタゴは紀元前9世紀頃にフェニキア人によって建設され、地中海交易の中心地として繁栄しました。紀元前2世紀にローマに滅ぼされましたが、その後再建され、ローマ帝国の重要な都市となりました。カルタゴ遺跡は、フェニキア人、ローマ、キリスト教、イスラム教など、さまざまな勢力によって支配された歴史を物語る貴重な遺産です。
エル・ジェムの円形闘技場
■文化遺産 / 1979年
エル・ジェムの円形闘技場は、西暦230年頃に建造された古代ローマ時代の壮大な遺跡です。最大3万5,000人を収容可能な規模を誇り、ローマのコロッセウムに次ぐ規模の円形闘技場として知られています。1979年にユネスコの世界遺産に登録されました。
イシュケル国立公園
■自然遺産 / 1980年
イシュケル国立公園は、イシュケル湖とその周囲の湿地帯からなる広大な自然保護区です。1980年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。ここは、毎年何十万もの渡り鳥が訪れる重要な中継地であり、豊かな生態系が保たれています。
ケルクアンの古代カルタゴの町とその墓地遺跡
■文化遺産 / 1985年
ケルクアンは紀元前6世紀にフェニキア人によって設立された都市で、第一次ポエニ戦争（紀元前264年〜紀元前241年）によって放棄されました。その後、ローマ人によって再建されることはなく、現在は古代都市と共同墓地が遺跡として残っています。1985年にユネスコの世界遺産に登録されました。
スース旧市街
■文化遺産 / 1988年
スース旧市街は、9世紀から10世紀にかけてアグラブ朝によって築かれた要塞都市です。イスラム教初期の典型的な都市として知られ、1988年にユネスコの世界遺産に登録されました。旧市街には要塞と宗教施設が融合した建物が多く、歴史的な価値が高いです。
カイルアン
■文化遺産 / 1988年
カイルアンは670年にアラブの将軍ウクバ・イブン・ナーフィによって建設されました。イスラム教の重要な聖地であり、メッカ、メディナ、エルサレムに次ぐ第4の聖都とされています。1988年にユネスコの世界遺産に登録されました。
ドゥッガ/トゥッガ
■文化遺産 / 1997年
ドゥッガ/トゥッガは、紀元前2世紀にヌミディア人によって築かれた都市で、その後ローマ帝国に編入されました。ヌミディア王国の重要な都市の一つであり、ローマ時代の遺構が多く残っています。1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。
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